執筆者: Stephanie Peragine | 科学教育スペシャリスト
Natasha Hadgraft氏は、マンチェスター・メトロポリタン大学(MMU)のヒト生理学修士課程および神経科学修士課程のプログラムリーダーです。心血管科学の講師として、生物医学やヘルスケア科学などの学部プログラムでも教鞭をとっています。彼女は、学生が実習室だけでなく、チュートリアル、セミナー、より幅広い学習環境においても技術的・実践的なスキルを学べる空間を開発することで、科学教育を牽引しています。長年信頼されてきたPowerLabと斬新なUSBセンサーの力を組み合わせることで、MMUは学生がスキルを伸ばせるユニークな学習スタジオを構築し、さまざまなキャリアパスに向けた確固たる基盤を提供しています。
MMUは、科学的・臨床的なレッスンや実習を提供するためのハイブリッド学習プラットフォームであるLtを、これらの空間に組み込みました。Ltはデータ収録ハードウェアと直接統合されているため、学生は生理学的信号をリアルタイムで取得し、その知見をインタラクティブなレッスンや患者ケースに応用できます。その結果、理論と実践的な技術スキルの間のギャップを埋める完全なエコシステムが実現しました。
Ltでサンプリングを行うLtセンサー
実習室以外の場所でも、学生がデータ収録スキルを習得できる
ライフサイエンス学部では長年にわたり、実習でPowerLabを一貫して使用してきました。最近になって、同大学はアクティブラーニング用に設計されたスタジオを備えた、新しい科学棟を開設しました。ここで彼らはADInstrumentsのポータブルなUSBセンサーを導入しました。これにより、学部は従来と同じ生理学実習と並行して、アクティブラーニングスタジオでチュートリアルを行い、データの記録と分析における柔軟性を得ました。つまり、実習室の空き状況に依存することなく、ECGのデモンストレーションや、学生に向けた技術的スキルの学習ができるようになったのです。おかげで教員と学生の間で、USBセンサーとLt内のケーススタディを活用したディスカッションが進み、学生の知識も深まりました。
「学生がスキルを実践することではじめて、本質的にそれを評価できます。彼らは自分たちが [...] スパイロメトリーを行い、それを解釈してデータを分析できることようになります。つまり、ある程度の理解を示し、その知識を応用できることを証明しているのです」
「これによって、プログラムの後半になるまで必ずしも選択肢として得られなかったようなスキルを学生が伸ばせるようになりました」
どのようなキャリアパスを選んでも、関連するスキルを身につけさせる
MMUの学生は臨床や科学分野への熱意を含め、多種多様なキャリアの目標を持っています。Ltソフトウェアと、PowerLabおよびUSBセンサーハードウェアを統合したダイナミックな組み合わせを使用することで、実践的なトレーニングと並行しながら、理論的かつ実際の患者に焦点を当てたコンテンツを提供できるようになりました。この充実した学習環境により、学生は将来のキャリアで直面する現実の課題を解決するための、確かな基礎スキルを身につけることができます。
「心臓の解剖構造や心不全のメカニズムを教科書に沿って教えることはできます。しかし、実際の患者のケーススタディを通してさまざまな知識を結びつける経験こそが、学生の理解をより深めるのです。将来、臨床の道に進みたいと考えている学生にとって、これは素晴らしい準備となります」
「同時に、多くの学生は研究など別のキャリアパスにも興味を持っています。Ltを使えば、生理学的な測定からデータの解釈・分析までを一貫して行えるため、被験者を対象とした研究プロジェクトにも活用できます。実際に被験者からデータを測定し、それを正しく解釈することは極めて重要なスキルです。将来、研究者養成プログラムや医学部への進学を目指す際にも、このスキルが大きな武器になります。被験者と協力して研究を進める実践的な経験は、彼らのキャリアにおいて間違いなく役立つはずです」
アクティブラーニングの機会、参加度、および出席率の向上
Natashaは、チュートリアルにUSBセンサーを導入し、リアルタイムでのデータ収集を実現した結果、学生の学習意欲(エンゲージメント)が目に見えて向上するのを実感しています。彼女と同僚たちは、よりインタラクティブで刺激的な学習機会の創出に成功しており、結果として学生がキャンパスでの対面セッションに積極的に参加するようになっています。
学生が使用するLtセンサー
「私が前に立って『これがECG(心電図)です。こういう仕組みです。これが心臓を通る電気活動です』とただ説明するよりも、学生はずっと多くの教材に、ワクワクするような方法で主体的に関わることができます。私たちのアクティブラーニング型授業は、学生の興味を自然と引き出すように設計されています。もちろん従来の実習室で同じことを行うこともできますが、USBセンサーを使えば、チュートリアルなどの他の学習活動にも実習の要素を柔軟に組み込むことができるのです」
「楽しく学べるチュートリアルだと分かれば、学生は進んで出席するようになります。そして、その活動やセッションの価値を一度実感してくれれば、その後のチュートリアルへの出席率も自然と高まっていくのです」
センサーについて: 「エンゲージメントにプラスの効果があります」
実習の反復の削減
MMUの印象的なスーパーラボではいくつかのコースの実習が行われています。生物医学プログラムの規模の大きさから、実習室とそのPowerLabは数日間にわたって使用される可能性があります。メインの実習室と並行してUSBセンサーを用いた実践ベースのチュートリアルを実施できるようになったことで、実習の繰り返しが減り、時間割の制約が最小限に抑えられました。両方のハードウェアシステムを活用することで、学部はデータの品質を損なうことなく教育をスケールアップさせることができました。また、学生は使用しているデバイスの違いに関わらず、同じようにデータとやり取りしていることも分かりました。
「[私たちが持っていたPowerLab] はセンサーよりもずっと少なく、基本的にはより多くのコホート(学生の集団)に対応したいと考えていました。私たちのプログラム、特に生物医学科学は拡大の一途をたどっています。これは非常に人気のあるプログラムで、実習のコマ数を抑え、それらの実習を開催するのに十分なリソースを確保したいと考えていました。センサーのおかげでそれが可能になっただけでなく、センサーが持ち運びやすいことで、だいたいのチュートリアルやセミナーでも使用できるようになり、それがまさにアクティブラーニングと結びついていると思います」
「PowerLabとセンサーの間で学生の反応に違いがあるとは思いません。しかし、彼らはどちらも非常に魅力的だと感じていると思いますし、PowerLabは学生が研究や臨床の現場で目にすることを期待しているものに近いでしょう」
Natasha Hadgraft
マンチェスター・メトロポリタン大学(MMU) ヒト生理学修士課程および神経科学修士課程 プログラムリーダー
私は、炎症性サイトカインが心筋細胞に及ぼす影響に関する博士課程を修了した直後の2019年に、生理学のチューターとしてマンチェスター・メトロポリタン大学に加わりました。それ以来、講師に昇進し、さまざまな指導的責任を担ってきました。私の教育はライフサイエンスプログラムのほとんどに及んでいますが、特に人体生理学に重点を置いています。研究主導型の教育を重んじ、自分の分野の発展に関与し続けてはいますが、仕事の教育的な側面にますます惹かれるようになりました。その結果、最近、教育、実践、そしてシチズンシップを中心とした役割に移行しました。この役職において、私は学部全体で教育におけるデジタルテクノロジーの使用を促進する上で重要な役割を果たしており、学生の学習を強化し、スキル開発をサポートするためのツールとしてのシミュレーションの活用に強い関心を持っています。